2020.01.20 06:13委ねてあげる|十空 十四が空却のもとで修行するようになってから、きっかけはもう忘れてしまったが、伸びるのが早い空却の前髪を整えるのがいつしか十四の役目になっていた。 ぼんやりと、わざわざ美容室に行くまでもないしなあ、と呟いたの覚えている。そういえば通っている美容室だって十四が紹介キャンペーンをしていてすごくいいからとおすすめされて同じ美容師にしてもらうよう...
2020.01.05 12:33無自覚inst|ジュンひよ 最近日和を見るととつぜん胸に針にでも刺されたような痛みが伴う。同時に、心臓がいつもより煩くなって、からだが少し熱くなる。レッスン室での練習中は日和についていこうと無我夢中になっているから意識しない、できないのだが、終わって休憩に入った時にジュンくん水を買ってきてほしいねと肩に寄りかかられると、触れたところからじわっと熱がいっきに広がって...
2020.01.05 12:32お題:初めて|十空 ナゴヤという地に生まれながら神社仏閣とは無縁な人生を送っていた十四にとって、空却は新しい世界の扉そのものだった。 それこそ出会わせてくれた獄の時と似ている。虐められていたころは、状況を打破する方法も救いを求めるやりかたもわからなくて井の中の蛙そのもののように、上から誰か手を差し伸べてくれるのをずっと待っていた。誰かが助けてくれるか自分が...