2020.10.26 03:10午前零時|ジュンひよ 頬から耳まで真っ赤にし、目をとろりとした姿は、誰がどう見ても一目で泥酔していると判るほどだった。 都心にあるふたりで暮らすには広すぎる高層マンションの一室。 次世代の入寮者が増え、さすがに満杯になってしまったESから退寮したジュンと日和は、そこにふたりきりで暮らしていた。相棒であるふたりが、まだまだジュンは未成熟だと豪語する日和とジュン...
2020.10.11 06:12Edible you|ジュンひよ 華道の先生に昔言われた言葉が強く記憶に残っている。「日和さんの描かれる花は、普段の日和さんとは違うんやねぇ」 今の自分をそのまま指摘されたようでどきりとしたのを覚えている。「もっと華やかなのを想像してましたわ。静謐で、山頂の霧のような美しさやね。薔薇に刺、クラゲに毒。見た目によらんっちゅうことやろか」 なんと返したのか、珍しく覚えていな...
2020.10.11 06:11いぬ|ジュンひよ「……っ、ちょっと待って」 ベッドの上で、いつもの待つね、なんて口調で取り繕う暇も与えてくれないぐらい、早急な仕草だった。久しぶりだったから、さんざん仕事中にいたずらのように目を合わせたり肩や手を触れ合ったりして──それはEveとしての仕事でもあったのだけれどとにかくジュンを刺激することはした──ので、この飼い犬に待てが効かなくなるのも、...